月別アーカイブ: 2019年11月

映画「閉鎖病棟」を見てきました

過日になりますが、映画「閉鎖病棟」を見てきました。

坂の上にある、とある精神科病院。

坂の下の住民は揶揄も込めて患者を「坂の上の人」と呼ぶ。

主要キャストは、3人。殺人事件を犯し死刑となったが、死刑執行が失敗し、当該の病院に送られた老人。精神病を患ってはいるが、現在は比較的安定しているように見える青年。そして父親からの性的虐待が原因で入院する、女子高校生。

それぞれがそれぞれの背景、心の闇、家族の無理解等を抱えながらも、病院内で心を通わせていく…

そんなある日、ある出来事が原因で、院内で殺人事件が起こる。

その出来事がきっかけで3人はばらばらになり、それぞれの道を歩みだす…

あまり書くとネタバレになるのやめますが、簡単なあらすじは上記のようなものです。

閉鎖病棟自体の問題も社会問題ではありますが、ここでは(少なくとも映画では)、重要なテーマではありません。

むしろ、弱い心を抱え、社会から疎外されたように見える人々が、押しつぶされそうになりながらも、心を通わせ、そしてまたその交流を失っても、また1人でも立ち上がろうとする姿が描かれており、私自身統合失調症を持つ身としても、非常に共感のできる内容でした。

映画では社会的偏見についても、それほど主要なテーマではありません。

ただ、病院からの外出を許され買い物にいった商店で、患者たちが帰ったあとに、その店の奥さんが「あんな人たちを外に出していいのかね」と呟くシーンや、綾野剛演じる青年の妹が「こんな狂った人を世の中に出して何か起こったらどうするんですか!」と言い、看護師にたしなめられるシーンなどもあり、スティグマ(偏見)の問題を意識せざるを得ない部分もあります。

私自身、最近は統合失調症の当事者会にも参加していますが、そこで感じるのは、「普通」などという基準は本当はないのだということ。あるいは人それぞれだということ。

仕事をし、結婚し、子供を育てることだけが普通なのでしょうか?

精神障害を持っている人には、望んでもそれが叶わなかった方たちが多くいます。

それでも、病状等で辛くても、みんな一生懸命に、真剣に生きています。

もちろん一部にそうでない人もいるかもしれませんが、それはいわゆる「健常者」でも同じではないですか?

生活保護や年金をもらい悠々と生活していると揶揄する風潮もありますが、社会的弱者を救う、セーフティーネットを整えることは当然の社会・政治の責任です。

そして、誰もが社会的弱者になる可能性があるのです。いつ事故や病気等になるかわかりません。

それでも「自己責任」の名のもとに障害者や社会的弱者を批判・排除しますか?

映画の本筋とはずれるかもしれませんが、そんなことも考えさせられました。

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映画では、ラストに向かって、3人それぞれがそれぞれの「仕方」で立ち上がります。

そういったそれぞれの「やり方」を支える社会であってほしい、もちろんそのために制度・法律を整えることも重要ですが、社会的弱者への温かい眼差しを多くの人に持ってほしい。

切に、そう感じます。

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うつ病等で休職した場合のお金の話とその後の話

職場でのストレス等でうつ病、適応障害などになり、休職した場合に一番気になるのはその間の経済的なことでしょう。

実家に暮らしていたりしてお金の心配のない方もいるかとは思いますが、そうそう恵まれた方達ばかりではないでしょう。

もちろん、うつ病などで何も考えられないのに手続き等無理をする必要はありません。

書類の記入など細かいことが辛く感じる場合もあるでしょうから、家族等周囲に手伝ってもらいながらやりましょう。

大きく4つのカテゴリに分けてお話いたします。

1.給与が出る場合

2.給与が出ない場合の支援制度

3.休職後復職する場合、また退職した場合

4.その先へ

1.給与が出る場合

数は少ないですが、実際に一定期間、給与が出る会社もあります。

会社に感謝して、それでしばらくは生活を営むことがベストでしょう。

満額出る場合もあれば8割などの場合もあるようです。

2.給与が出ない場合の支援制度

①傷病手当金

細かい金額・制度等の確認は以下のサイトが1番わかりやすいはずです。

国民健康保険の方は対象外となってしまいますが、通常の健康保険組合等に加入されていれば、勤続年数1年未満の方でも支給されます。

簡単に言うと、給与の6割程度の支給と考えておけばよいでしょう。

また給与の支払いがある場合でも、傷病手当金の額より少ない場合にはその差額が支給されます。

以下、全国健康保険協会のサイトです。

https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat310/sb3040/r139

②自立支援医療制度

医療費の助成制度です。

精神医療等の医療費が1割負担になる制度です。

精神障害者で障害者雇用であれば、ほとんどの方がそもそも利用している制度でしょう。

メンタルクリニック等で自立支援医療制度用の診断書を取得し、市役所、区役所等の障害福祉課等に申請します。許可が下りるには数ヶ月程度かかります。

3.休職後復職する場合、退職する場合

しばらく休職後、復帰して元通りになれれば言うことはありません。

ただ、復職成功率は2割というデータもあります。

無理をして復職することが良いのか、それとも別の道を探るのか、ベストでなくてもベターな方法を考えましょう。

①リワークプログラム

職場復帰に向けて、行うプログラムです。

ⅰ.職場が試し通勤等の制度を使用して行う場合、ⅱ.地域障害者職業センターが求職者本人と雇用主、主治医の3者をコーディネートして行う場合、ⅲ.医療機関が医学的なリハビリとして行う場合があります。

復職に向けて1人で不安であれば、職場にリワークプログラムがない場合でも、ⅱやⅲを主治医、会社と相談し、利用することもよいと思います。

リワークについては以下の「日本うつ病リワーク協会」のサイトがわかりやすいです。実施医療機関も掲載されています。

http://www.utsu-rework.org/index.html

②失業保険

ご存知のない方はいないでしょう。

退職すると決めたら手続きは早めに行いましょう。

病気で離職した場合には、「正当な理由」があるとほとんどの場合見なされるでしょうから、離職日以前の1年間のうち、6ヶ月の雇用保険加入実績があれば、給付されます。

また待機期間というのがあるからすぐにもらえないんだよね?とご心配の方も多いかもしれませんが、医師に診断書を書いてもらいハローワークに提出すれば、「特定受給資格者」となり、待機期間なく(正確には給付制限期間)、給付を受けられるはずです。

また、基本的には雇用保険の加入期間によって給付日数が異なりますが、精神障害者等であれば、「就職困難者」とされ、最大360日の給付を受けることができます。

給付される金額は年齢、離職した会社での給与等によって様々変わりますが、概ね給与の6~7割程度と考えておけばよいでしょう。

4.その先へ

休職していると世間から切り離された気になる方も多いかもしれません。

ただ、これで人生が終わった訳ではありません。

始めのうちは何も考えられないでしょう。静養に専念することです。

上記のような制度をうまく使いながら、人生の猶予期間を設けるのも決して悪いことではありません。

元々健常者でメンタルダウンしてしまった方であれば、障害者年金を申請する、あるいは障害者手帳を取得し、障害者雇用で求人を探すという路に進む方法もあります。

また、例えば統合失調症を抱えながら精神障害者として障害者雇用で働いていて、メンタルダウンしてしまった場合には、会社の対応が厳しい場合も予想されますが、休職が可能であれば、一定期間休むことも大切なことです。

休職して復職を目指すにしても、退職して、転職活動をするにしても、はたまた自営など別の道を探るにしても、人生の休息期間だと思って、しばらくはゆっくりしましょう。

そして、先のことを考えられる状況になったら、よくよく考えてみてくださいね。

人生は長いのですから。

これで終わりじゃありませんよ。

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