精神障害者の方で、障害者手帳を取得すべきか否かで悩む方は多いと思います。
各種資料を見ると、身体障害者や知的障害者の方は取得割合がある程度高いのに比べ、精神障害者は2割程度であることを考えると、ある程度精神障害者固有の問題とも言えます。
もちろん大まかに言って、身体障害者や知的障害者より固定された障害ではないし、青年期以降に起こることが多いという事情はあるでしょう。
ただ、私は無理強いはしませんが、取得すべきだと考えます。
取ってもどんなメリットがあるかわからない、障害者として固定されてしまうのではないか…世間の目などが気になると考える方も多いでしょう。
精神障害者の場合、各自治体によっても異なりますが、確かに交通費助成などのメリットは少ないです。ただ、税金の控除も受けられますし、私の住んでいる都市では1000円程度支払うことで1年間のパスを貰え市発着のバスに乗れますし、映画はシネコンであれば日本中どこでもだいたい1000円、美術館も同様に、特別展や常設展示が無料あるいは割引のところが多いです。タクシーも全国で1割引です。
国税庁 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1160.htm
各種割引は以下のサイトがわかりやすいです。
経済的に厳しい方もいるでしょうから、少しでも上記のようなことで節約できるのはありがたいですね。
私も10代で発症し、20代で通院を始め、大学を卒業(詳細は「管理人について」をお読みください)、その後様々病気をクローズして就職もしましたが、うまく行きませんでした。
手帳を取らないで就職をし、頑張っていこうとずっと考えてきましたが、35歳で転職が厳しいと言われる年齢にさしかかり、仕事にも相当疲弊していたので、もういいか、障害者手帳を取り、障害者として生き、ある程度配慮される障害者雇用で転職をしようと考え、手帳を取りました。
それから10年以上経ちましたが、更新し続けています。
障害者雇用の場合、ほぼ手帳を持っていないと相手にされないと思って間違いないでしょう。
ハローワークは意見書だけで良いのですが、結局それだけだと受かるのは厳しい。
私も何社かそうやって応募しましたが、ダメでした。企業にとってメリットがないですからね。
本当は違法なのかもしれませんが、ハローワークの担当者が電話した時点でダメなところもありました。企業の本音でしょう。
障害者求人専用サイトなどハローワーク以外の求人を見ると、ほぼ手帳必須になっています。
もちろんそういう社会を全肯定しているわけではありません。手帳の制度も含め、障害者にまつわる様々なトピックを議論していくことは重要です。
ただ、現状を踏まえて闘い方を考えることも、よりよい人生を送るためにはある程度必要ではないでしょうか。
私は手帳を取得し、すぐにパートの店舗事務の仕事が決まりましたし、その後も通信系会社の契約社員、エネルギー系会社の嘱託社員から正社員登用へとステップアップすることができました。
運が良かっただけかもしれませんが、一般就職で同じ会社に応募しても、まず落とされたでしょう。それを考えれば無理なく働く一つの手段として手帳を取るのも良いのではないでしょうか。
皆さんに無理強いはもちろんしませんが、クローズして働き、きつい思いをしている方、就職・転職が決まらずに苦労している方には特におすすめします。
世間の目が気にならないと言ったら嘘になりますが、特にデメリットは感じませんし、取ってよかったと思っています。世間の目にはそのうち慣れますし、そこまで意識する場面はそう多くありません。
究極的には、手帳を持とうが持つまいがどうでもいいことです。社会の制度でしかありません。
一番大事なのは本人がどう生きたいか、何を一番大切にして生きたいかです。必要ならとればいいし、自分には必要ないと思うなら、取らなければいい。よりよい人生を送るための一つの道具として手帳を捉えてもよいのではないでしょうか。
あまり深刻に考えることはありません。昔の自分のように、プライドに縛られすぎているともったいないと感じます。
繰り返しになりますが、もちろん無理強いはしません。
ただ、メリット、人生にとってよいことの方が多いと、私は感じています。
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