働いている障害者は少ない。
みなさん、日本の障害者の全数を知っていますか?
最新の内閣府の障害者白書によると、約963万人。重複障害もあるので、一概には言えませんが、国民の約7.6%が何らかの障害を持っています。
世界に目を向けると、約10億人。全世界の人口の15%が何らかの障害を持っていることになります。
ただ、それにも関わらず、日本の障害者雇用で勤務している方は、最新の統計で約62万人。
別の、厚生労働省が行なっている、障害者雇用実態調査という調査になりますが、それだと障害者で雇用されている方は約80万人。
障害者白書:
https://www8.cao.go.jp/shougai/whitepaper/r01hakusho/zenbun/pdf/ref2.pdf
世界の障害者数:
https://www.unic.or.jp/news_press/features_backgrounders/5820/
障害者雇用実態調査:
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_05390.html
ここで障害者雇用と障害者で雇用されている方は違います。
上記の障害者雇用実態調査は5人以上の常用労働者数のいる企業が対象なので、そもそも障害者雇用の義務がない企業も含まれているのです。
さて。
障害者白書に戻ると、統計方法が違うので、一概には言えませんが、いわゆる生産年齢人口の障害者が約375万人。
もちろん、この中には重度の方もいるでしょう。
ただ、同白書には障害者で施設入所の方の統計もあり、それが約48万人。
上記の375万人から引くと約320万人。
少しざっくり割り引いてみても、300万人ぐらいは働ける人がいるのではないでしょうか?
それに比して、何らかの形で働いている障害者が80万人。少ないですよね。
さて、もう少し細かく見ていくと、
身体障害者で生産年齢人口は約101万人、働いている方は上記の障害者雇用実態調査から42万人。
知的障害者は同様に58万人に比して、働いている方は18万人。
精神障害者の場合、統計上、25歳以上になってしまうので、差異はあるかと思いますが、生産年齢人口は206万人。働いている方は20万人。
身体障害者で軽度の方は今でも企業が雇いたいんです。基本的には。精神障害者が義務化されたとは言っても。健常者並みに働ける方も多いし、ツールやバリアフリーで解決できる場合が多いですからね。
だから狭いパイの争いになっています。身体障害者で働ける方はほぼ働いていると言っている方もいます。
精神障害者の場合、グループホーム建設に反対運動が起こったり、スティグマが著しい。
障害者は身近にいるんです。
世界の約15%、日本でも8%近くいる。ざっくり10人に1人ぐらいは街を歩けば、障害者と言っても過言ではないんです。
精神障害者だけに限っても400万人以上いる。これも国民の約3%、30人の集まりがあれば、だいたい1人はいるんです。
マイノリティーではあるかもしれませんが、決して特殊でも異質でもないのです。
このまず身近に「いる」と認めることがまず大事ではないでしょうか。
異質で特殊なものと感じている限り、社会での包摂も、ましてや障害者が働くということ、職場にいるということが当たり前であるということの理解が広まるはずもないでしょう。
街で、たまたま珍しく見かけたではなく、「身近にいる」、まずそこから初めてみませんか?
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